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寄稿者:N

数日ぶりの秋晴れの日の午後、「学びの森」で海江田波留美氏の「私さがしの旅~紙・墨・筆とともに」を聴講した。大学卒業後20年、書家として研鑽を積まれた上での、自分探しの体験談であった。

何の説明もなく、筆の自然の動きが描き出す一つ一つの作品は、本人の発想から描かれるのではなく、筆が「銀河宇宙の力」で動かされている気がすると言われる。大きな筆先に墨をたっぷりと含ませ、幅二メートルにも及ぶ紙に一気に筆の動くがままに「何か」を具象化するのである。

世界各国で開いた個展で彼女の作品に惹きつけられて熱心に見入る人との出会いは、大きな喜び、さらには励みとなっていると熱っぽく話された。

自分探しの末にこの世界に到達した海江田氏の幸福感が聞く者に伝わってくるお話だった。