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武藤那賀子(51文A)著
2017年02月 笠間書院
定価:7,000円+税
ISBN 978-4-305-70837-3

目次

はしがき
『うつほ物語』各巻紹介
登場人物系図

序章 書くことを意識した物語
一 『伊勢物語』
二 『大和物語』
三 『うつほ物語』
四 『源氏物語』
五 『うつほ物語』における物に文字を書くという行為の特異性

第一章 物に書きつく―『うつほ物語』における言語認識
一 物に文字を書く実忠
二 物に文字を書く仲忠
三 実忠と仲忠からの文字を書きつけた贈り物の比較
四 あて宮と仲忠の意思疏通
五 あて宮への求婚からいぬ宮の入内へ
六 『うつほ物語』における言語認識
資料『うつほ物語』における文字が書かれたもの・文字と対になった贈り物一覧

第二章 紙に書きつく―人物関係を構築する文(ふみ)
一 文の遣り取りの有無の判断と人物関係の有無
二 隠蔽される文―物語を動かす可能性の提示
三 見られ代返される文―人物関係が再度成立する分岐点
四 見られる文―人物関係の確認
五 差出人と受取人の特定の重要性―関係の明確化
六 証明としての文―保険としての情報開示と「消息」
七 人物関係を可視化する文

第三章 「手本」の作成と〈手〉の相承
一 『うつほ物語』における「手本」
二 『うつほ物語』における〈手〉
三 俊蔭伝来の蔵から出てきた書物と仲忠の〈手〉
四 仲忠が作成する「手本四巻」
五 すれ違う仲忠と藤壺の思惑

第四章 書の継承―「うつほ」をはじめとした籠りの空間と継承者
一 蔵開
二 女一の宮の懐妊からいぬ宮の産養まで
三 籠る仲忠
四 朱雀帝への進講
五 書の系譜

第五章 清原家の家集進講
一 清原家の書物の進講における春宮
二 朱雀帝によって創られた清原家の書物公開の場
三 菅原道真の献家集と仲忠の家集進講
四 清原家の書物の進講と史実の進講
五 『日本紀』の進講と清原家の家集進講
六 家集進講―清涼殿にできた籠りの空間

第六章 琴を支える書―公開の場の論理
一 二つの書の公開と二つの琴の公開
二 時刻表現の偏り
三 香る様が描かれる香り
四 雪と声が作りだす空間と楼
五 琴を支える書

第七章 「清原」家の継承と『うつほ物語』のおわり
一 〈琴〉と書の系譜
二 〈手〉の系譜
三 三つの系譜と継承されていくものの行く末

補遺―近世・近代の『うつほ物語』の研究