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【Stories – 卒業生インタビュー -】第5回 ソリッドシード株式会社代表取締役 妹尾 準氏

ワンキャンパスで学んだ先輩たちのストーリーを大学生のインタビューでお伝えします。

Stories - 卒業生インタビュー - 企画について

【目的】
成城学園同窓会は、同窓生相互の親睦を図り、かつ母校の発展に協力することを目的として設立され、これまでに多岐に亘る事業活動をしてきました。事業活動の1つとして学生支援も行っています。
今回は、経済学部の境新一先生のゼミ生と連携し、「実社会に向けて見識を深められる機会を提供できれば」という学生ファーストの視点で、各業界で活躍中の卒業生へのインタビューを通じ、社会人形成期にあらたな発見と知見を拡げられる支援を企画しました。

第5回卒業生インタビュー

取材日時:2022年11月14日(月)15:00~16:30

取材相手:ソリッドシード株式会社 代表取締役 妹尾 準氏(50回経済D)

Q大学生時代はどんな人でしたか

今のようなリーダ一シップを発揮する人物という訳ではなくみんなでわいわいしていました。勉強というよりは遊び中心の生活を送っていたという記憶があります。
大学の授業はしっかり出ていましたが、どうやって効率よく単位を取るかを考えてどうにか
自分の時間を確保していました。
アルバイトは小学校のサッカーのコーチ、カラオケでのバイトを3年ぐらいやり、部活は中学・高校はサッカー、大学では他大学の学生も交え、フットサルをよくやっていました。

Q大学生活でやってよかったこと、やっておけばよかったことはありますか。

やってよかったことは友達作りです。成城学園中学校高等学校からの友達だけでなく、大学で出会った仲間とも遊べたのがよかったです。その友達と現在も仕事で繋がっていたり、同じ会社で働いている人もいたりと関係が続いていることは素晴らしいと思っています。
やっておけばよかったことは当たり前ですが勉強です。独立してから経営学や簿記を使う機会が多く、独学で勉強していくのは大変で、最初の頃は特に重要性を認識しました。加えてどんな会社に入っても英語に触れる機会は多いと思うので、語学力も向上させておくべきだったと感じています。勉強以外で言うと、まとまった時間をとれるのは学生の時だけなので、色々な本を読むことも重要だと考えます。

Q妹尾さんが思う成城生の強み、弱みはなんですか。弱みはどのような行動をすればいいと思いますか。

強みとしては、コミュニケーション能力が高いこと。明るいこと。協調性があること。
弱みとしては、競い合う、競り勝つ力が弱いところですね。
直接的な解決方法とは言えませんが、色々な人と触れあうことが大切です。学生時代、成城の友達は勿論、他大学の学生と交流することで、刺激を受けたり、尊敬できる人が見つかり、参考となったことが多々ありました。これは社会人になっても同様で、ライバルや目標とする人、メンターと呼ばれるような人を探すことが重要だと思います。

Q次に大学ご卒業後についてお尋ねします。
最初の就職先をJTBに決めた理由はなんでしょうか。

色々な業界を受けましたが、受かった大企業がここだったからですね。いつかは独立したいと考えていて、とりあえずその業界の大手に入りたかったので、大手企業を中心に受験しました。JTBでは飛び込み営業をする機会が多く、「1日300件潰してこい」の指示があったぐらいです。
時にはオフィスビルの最上階から一軒一軒階段を使って営業することもありました。当時からお客様との接触回数を増やし、悩みを聞き出しやすい環境を作るということを意識していました。
現在も続けている営業手法の基礎をJTBで学ぶことができたことは良いことでしたが、当時は睡眠時間が3時間程度ということもあり精神的にも体力的にも大変でした。しかし世の中には自分よりも大変な思い、辛い思いをしている人がいるんだと自分に毎日言い聞かせ3年間必死に頑張っていました。3年間にこだわった理由は元々起業することを決めていて、その為にキャリアアップするとの考えがあったからです。

Qいつから独立の考えがありましたか。

父が独立していたこともあり、小さいころから独立したいとは漠然と思っていました。加えて人生一度きりなのでチャレンジしたいという思いがあったこともあります。また、JTBに就職してからも会社のネームバリューで営業をしている感があり、歯痒かったことも独立の考えが強まった要因の一つです。勿論、不安はありましたが当時は27歳、つぶれても何とかなるだろうという考えで行動していました。

Q JTBからなぜ転職を考え始めましたか。

最初はJTBを退職したらすぐに起業しようと思っていたので、ビジネスプランコンテストに出場したり、成城をはじめとした高級住宅街にチラシを配ったりして資金を集めようとしていました。しかし、なかなかまとまった資金が集まらなかったことと、だんだんと人のお金で立ち上げるよりも自分のお金で立ち上げたいという想いが強くなりました。
当時、ネット掲示板やmixi等で募集していた交流会に参加し、そこで出会った方の繋がりで、最初は置き菓子ベンチャー企業のお手伝いをしました。そのような交流会は元来得意だった訳でなく、むしろ苦手でしたがそれも訓練の一つだと考えて行っていました。

Qその後、なぜIT業界に転職したのですか。

引き続き交流会によく行っていましたが、たまたまその場にいた会社役員の方と話が合い、
その方の紹介で会社に入社いたしました。ITには元々興味があり、JTB時代からIT化が進んでないという印象をもっていました。今後IT化の流れが来ると言われていた時代です。ここに乗らないと遅れてしまうと思い、勉強の為に転職しようと決心しました。

Q今まで働いてきた会社で共通していることはありますか。

共通していることは特にないですね。むしろ共通してないからこそ行ってみるというイメージです。自分に合うものを探しながら、もしわからなくてもとりあえず飛び込んでみるという考えで
働いていました。

Q次に現在のお仕事関連の質問をさせていただきます。
企業としてどんなビジョンを掲げていますか。

社員の生活や人生の充実です。企業によくある社外向きのビジョンというよりは社内向きのビジョンを掲げています。というのも社員の充実度が上がればそれがお客様に波及して、結果的に会社の利益につながると考えているからです。また、企業として大きなイノベーションは今のところ考えてはいませんが、小さなイノベーションを起こしつつ、今後の可能性を探っていきたいと思っています。そして時代の流れを読み、柔軟に対応していきたいと思っています。

Q企業を担う社員としてどのような人材を求めていますか。

面接の際、「なぜエンジニアなのか」と「将来どのようになりたいか」ということは必ず聞いています。その中で、その人が何事も前向きに捉えられるかというマインド・姿勢を最も注目しています。なのでどれだけ、そのモチベーションをもっているのかという点が重要だと考えています。特に、文系の場合だと意欲があっても途中で辞めてしまう人もいる為、注視しています。
また、専門学生と文系を同時に採用した時、最初の数年間は専門学生の方が能力的に上位に来ることが多いですが、努力次第で文系学生が追い越す場合があります。その為、専門学校以外にも文系を採用しています。さらに最近では医療系、介護系などの異業種から手に職をつけたいという理由で転職してくる人もいます。

Q現在のお仕事の中で大切にしている価値観やお考えをお聞かせ下さい。

基本的には、相手のことを常に考えるということを大切にしていて、自分自身は勿論、社員とも共通認識を持つことを頭においています。お客様がどんなことに困っているのかを引き出すことによって、目の前の悩みはもちろん、我々のビジネスには直結しないものも含め、その先にある全体像を把握し、解決していくことを考えています。実際、お客様が考えているところ以外に問題があることもあります。

Qコロナ禍での働き方で大変なことはありましたか。

テレワークが推進しやすい業界ということに加えて、慣れてきたこともあり、特に大きな問題はないですね。でも、トラブルがあったときや重要な打合せの時は顔を合わせるということは、当たり前ではありますが徹底しています。

Qテレワークでの評価の仕方はどうしていますか。

この問題は難しく、まだ完全な解決はできていないです。営業は成績を見ればわかりやすいところではありますが、エンジニアやデザイナーはそうはいかないところもあります。今の所は開発スピードや納期、依頼されたことに対しての対応度で判断しています。一時期は細かく進捗をチェックし続けようと考えたこともありますが、あまり束縛しすぎても社員の良さが引き出されないこともあるかなという気持ちがあり、現在はある程度自由な気持ちを持って任せています。
もちろん責任感を持ってもらうのが前提ですが。

Q女性だからという風潮を打破するために行っていることはありますか。

女性だから特別どうこうするという意識はしていません。とにかく自分で考えて行動させることを意識しています。特にベンチャー企業では指示待ちの人は通用せず、それぞれが考え行動していかないと何も始まらないし、評価もされません。指示通りに動いてくれた方が楽な面もありますが、それはその人にとって成長の機会を失っているとも思います。なので「自由にやって良いよ」の投げ掛けを社員には伝えるようにし、ボトムアップ型の企業になるように心がけています。
変な話ですが、突然私や主要メンバーがいなくなってしまった時に何もできない人間になってほしくないのと、現実にあってほしくはないですが、万が一ソリッドシードを卒業した際にこの会社での経験がどんな会社でも充分に活かされるようになってほしいです。これによって社員が自分からアイデアを出すようにもなりました。例えばゲームアプリ開発を始めたのもその一例で社員にゲーム好きがいて、その社員のアイデアを吸い上げるようにして始めてみました。最近ではECサイトを始めました。エンジニアやデザイナーがデザインしたTシャツを売っているのですが、それが実際に売れると嬉しいですね。現状利益はほとんどないですが、社員の自由にやろうというその心持ちが嬉しいです。こうやってみんなでアイデアを出して、みんなで形にしていく、それが社員のモチベーションにつながると考えています。

Q地域貢献をされていると伺いましたが、その理由はどんなことでしょうか。

独立した頃から青山に拠点があった為、何かしら地域貢献をしたいと考えていました。具体的には、商店会で清掃活動、近隣の施設には寄付・寄贈をしたりしています。これらを行っている1番の理由は、社員たちに社会との繋がりを感じてほしいと考えているからです。税金を払っているということは勿論、「自分達が稼いだものが実際に使われている場面や困っている人の役に立っている」ということをもっと感じてほしいことがきっかけで始めました。コロナ禍で現在はできていませんが、以前は毎年行っていた取り組みです。その活動を通じて自分の成果を可視化できるようになったことで、社員のモチベーション向上にも繋がっています。やってよかった取り組みだと感じています。

Q最後に今後のキャリアプランについてお尋ねします。

独立前は、将来像を書き出すような「夢ノート」を作ってそのノートに写真を貼ったり、目標を書いたりしていました。現在は私個人ではそのような思いは少なく、ソリッドシードをできるだけ長く存続させたい、社員の想いを叶えたいという目標はあります。引退した後は、1つの会社だけではなく、さまざまな会社に顧問のような役割で携わっていきたいと思っています。更に企業だけではなく、こうした大学のような教育の場にも携わりたいと思っているのが現在の心境です。
本日は長時間に亘り、有難うございました。

第5回卒業生インタビュー【編集後記】

第5回の卒業生インタビューでは、ソリッドシード株式会社の代表取締役である妹尾準様にお話を伺いました。
今回は、自己紹介を多めに取り、緊張感もありながらも楽しくインタビューすることができました。
妹尾様は、大学卒業後は、JTBへ就職されましたが、その後、転職などを経て、現在では、IT企業である「ソリッドシード株式会社」を立ち上げられました。今回印象に残ったことは、「学生時代に多くの人に会う」ということでした。私たちは、コロナ禍で2年間、大学に通うことができず、人と関わることがほとんどありませんでした。残りの学生人生の中で、できるだけ多くの人に会うということを意識して学生生活を送っていきたいと感じました。
また、お話の中で、「相手のことを常に考える」ということを仕事において大切にしていると伺いました。
このことは、私たちがこれから社会に出てから非常に大切なことであり、日頃から意識していきたいと感じました。
今回のインタビューも非常に貴重なお話を伺うことができ、学びの多い時間となりました。

成城大学経済学部 境新一ゼミ
後藤 大輝(経済学部 3年)
番匠 美湖(経済学部 3年)
久我 岳史(経済学部 3年)
長谷川純奈(経済学部 3年)

    前列左から 久我岳史、番匠美湖、妹尾準氏、長谷川純奈、後藤大輝、境新一先生
    後列左から もたい五郎(事業支援委員)、新谷彰子(事業支援委員)、
    大嶋久幸(常任委員長)、本田敏和(事務局長)